2007年05月28日
夜愁
「半身」「荊の城」に続く、待望の最新作
1947年、ロンドン。第二次世界大戦の爪痕が残る街で生きるケイ、ジュリアとその同居人のヘレン、ヴィヴとダンカンの姉弟たち。戦争を通じて巡り合った人々は、毎日をしぶとく生きていた。そんな彼女たちが積み重ねてきた歳月を、夜は容赦なく引きはがす。想いは過去へとさかのぼり、隠された真実や心の傷をさらけ出す。ウォーターズが贈るめくるめく物語。ブッカー賞最終候補作。時は決してさかのぼれない。だが、もしも……?
物語を始めるのは、ひとりの女性のつぶやき。屋根裏部屋にひっそりとたたずみ、もの思う彼女の目に映ったものは――
サラ・ウォーターズ。
その名前が、わが国の読書界に広く知られるようになったのは、彼女の作品が初めて翻訳紹介された、2003年のことでした。
その翻訳第一弾、サマセット・モーム賞受賞作である『半身』は、人々に驚きと興奮を持って迎えられました。そのことは年末の各種ベストで、同書が数々の栄冠に輝いたことからも裏づけられています。
翌2004年に紹介された第二弾、CWA(英国推理作家協会)ヒストリカル・ダガー受賞作である『荊の城』もまた、同じように熱狂的な好評を持って受け入れられました。これらの作品を読み、その虜となった者は誰しも、次なる作品の刊行を待ち望んでいたことでしょう。
そして2007年。ついに満を持して、彼女の最新作をお届けできるときが来ました。その作品こそが、これからご紹介する『夜愁』The Night Watchであります。惜しくも受賞こそなりませんでしたが、かのブッカー賞最終候補作である本書は、間違いなくサラ・ウォーターズが全身全霊をかけてあらわした、たいへんに力のこもった傑作です。
本書は設定の段階でいくつか、既刊の二作品と異なる点を見いだすことができます。最大の相違点は、『半身』『荊の城』がヴィクトリア朝のロンドンを舞台としているのに対し、『夜愁』で描かれるのは同じロンドンでも、1940年代のロンドンだということでしょう。
1940年代といえば、第二次世界大戦のあった時代。わが国と同様、イギリスも戦火の影響をこうむらずにはいられませんでした。『夜愁』でも、戦争の影が登場人物たちに、さまざまな形で投げかけられています。
そして、ウォーターズの魅力といえば、その流麗な筆はこびもさることながら、息づかいすら聞こえてきそうな登場人物たちの描写も挙げられるでしょう。本書に登場する人々――ケイ、ジュリア、ヘレン、ヴィヴ、ダンカン等々――は、決して超人でも、数奇な生涯を送るわけでもありません。あくまで、さまざまな境遇のもとで市井に生き、同じ戦争を経験した人たちです。戦争が、そうした彼らの人生をどのように変えたか。あるいは変えなかったのか。
その点もまた、本書の読みどころであります。
運命に翻弄される、多彩な登場人物たち。ときにしめやかに、ときに大胆に戦中・戦後の日々を生き抜く彼女たち、彼たちが夜の果てに見いだしたものとは――
サラ・ウォーターズが贈る、めくるめく夜と戦争の物語。
『夜愁』は、2007年5月30日刊行予定です。
※献本は、上下2巻をセットにしてお届けします。
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夜愁サラ・ウォーターズ、中村 有希東京創元社924円Amazonで購入livedoor BOOKS書評/ミステリ・サスペンス 「半身」「茨の城」が、このミスの海外部門の第一位になったことで有名になったサラ・ウォーターズ。2作は未読なのですが、ずっと気になっていた作家だったので読ん
[ Chocolat ] 2007年07月19日 19:53
9. 夜愁/サラ・ウォーターズ
1947年のロンドン。第二次大戦の爪跡もまだ生々しい街で、それぞれに心の中にたまった澱を抱えつつ生き抜く男女の姿を、抑制された筆致で描く、ブッカー賞候補作。
[ 雑食レビュー別館 ] 2007年07月02日 22:34
[ Gori -ふどうさんやのおやじ- ] 2007年06月24日 20:11
[ Gori -ふどうさんやのおやじ- ] 2007年06月18日 21:57
{{{'''[http://www.buzz-pr.com/book/menu/ 「本が好き!」 ]'''}}}の献本第6弾。
サラ・ウォーターズの本は初めてである。話題になっていた「半身」も「荊の城」もなんとなく読まずに
きてしまった。でも、本書を読んでかなり焦ってし...
[ 読書の愉楽 ] 2007年06月18日 13:00
5. 夜愁
夜愁
サラ・ウォーターズ、中村 有希
東京創元社
924円
Amazonで購入
livedoor BOOKS
書評
/ミステリ・サスペンス
この本は私たちが参加している「本が好き!」の献本でいただきました。ありがとうございます。
「半身」「荊の城」と読んできた...
[ すみ&にえ「ほんやく本の新刊情報」 ] 2007年06月17日 00:05
4. 夜愁
夜愁サラ・ウォーターズ、中村 有希東京創元社924円Amazonで購入livedoor BOOKS書評/ミステリ・サスペンス_uacct = "UA-918914-3";urchinTracker();
考えたことは一度もなかった。この戦争がどれほど多くの秘密を呑みこみ、塵と闇と沈黙の中に埋めたことか。空襲...
[ 靄靄 ] 2007年06月15日 14:16
夜愁サラ・ウォーターズ、中村 有希東京創元社924円Amazonで購入livedoor BOOKS書評/ミステリ・サスペンス_uacct = "UA-918914-3";urchinTracker();
淡々と語られる登場人物の日常、その世界にタイムスリップしてしまう。
最初は通勤時間に読んでいました。でもそれは失敗....
[ 本を読みました〜 ] 2007年06月13日 21:50
夜愁サラ・ウォーターズ、中村 有希東京創元社924円Amazonで購入livedoor BOOKS書評/ミステリ・サスペンス イギリスを舞台としたミステリーに明るいわけではないが、本書を読みながら、数年前に読んだ『霧けむる王国』(新潮社/2004年)という作品が思い出された。 『霧け
[ 本が好き!プロジェクトに参加してます。 ] 2007年06月13日 10:40
かつて「このミステリーがすごい!」において、二年連続で海外部門一位に輝いたサラ・ウォーターズの最新作が本書『夜愁』である。
本書は、第二次世界大戦の戦中・戦後を通じて生きる人々の人間模様を綴った小説である。ミステリー小説ではあるが、
作中では殺人事件といっ...
[ ぽっぺん日記@karashi.org ] 2007年06月07日 23:30



