2007年01月29日
【書評】 穴 HOLES
故ウォールト・ディズニーも気に入るでしょう
とても良く出来たディズニー映画を観ているような読感です。絶対に最悪のことは起こらない、主人公は最後には幸せになれる、というのが最初から分かっているようなスタイルです。ですので、現在のアメリカでベストセラーになったというのもうなずけます。基本的にはジュヴナイルですし、主人公たちと同年代の少年たちだけでなく、そういう「良い子」たちのご両親世代にも受けは良いでしょう。これは、皮肉で言っているのではなく、そういうジャンルも、小説の立派な一分野だと思っています。伏線の張り方は、とても見事だと思いますし、読後に冷静に考えると、おかしなことは多々あるのですが、読んでいる最中にはそんなことを気付かせずに、あるいは気にさせずに一気にラストまで引っ張ってくれます。文章が実に分りやすいというのもあるのでしょうが、それも作者の力量の表れでしょう。素直に褒めましょう。読んで損はしません。
ところで、作中の<あなたにキッスのケイト・バーロウ>は、映画『俺たちに明日はない』で有名な、禁酒法時代の男女のギャング、クライド・バーロウとボニー・パーカーがモデルですよね。映画の中でも、フェイ・ダナウェイ扮するボニー・パーカーが警察官相手にキッスをするエピソードがありました。
(hacker)
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